日光自然ガイド協議会について

 

日光は日本のみならず、世界にも類をみない自然環境や歴史・文化を有しています。

1934年に日本で最初に国立公園に指定され、さらに2005年には戦場ヶ原や小田代原などが国際的に重要な湿地としてラムサール条約に登録され今年で15周年を迎えます。

先人たちは、神域であった日光で「不殺生・不伐木・不開拓」が不易の法であり、これを励行すべきであると唱えています。このような日光のすばらしい自然環境や歴史・文化は先人たちが営々として守ってきた人類共有の財産であり、私たちは先人たちに思いをはせ、責任をもってこれを未来に引き継いでいく使命があります。

 

日光は従来から首都圏の小学校の修学旅行や林間学校のメッカといわれ、戦場ヶ原を中心にハイキングが盛んに行われています。近年では小中学生を対象にした「自然ガイド付きハイキング」が広く認知されるようになっていますが、特に戦場ヶ原周辺に利用者が集中しオーバーユースが大きな課題となっています。

今では地元の自然ガイドだけでは学校からの要望に応えきれない状況にあり、外部からも自然ガイドが参入し、ガイド技術やガイドルールのばらつきが見られるなどツアー中のお客様に満足のいくガイドができていない状況も散見されるようになっています。

 

また一般の国立公園来訪者対象の自然ガイドツアーやアウトドア活動も広まりつつあり、春夏秋冬さまざまな形で自然ガイドが活躍する場面が増えてきました。2011年には個々の日光地域の自然系ガイドの集まりである「日光自然ガイド連絡会」が発足し、ガイド同士の情報交換、ガイドの資質向上のための研修会等が活発に行われてきました。

同時に歩道のオーバーユース、冬期のトイレや駐車場閉鎖の問題など自然ガイドツアーを取り巻く諸問題も顕在化しています。また知床、屋久島、西表島等の先進地に比べて日光の自然ガイドツアーの認知度はまだ低く、自然ガイド業が自立して成り立つ事業となるには更なる情報発信等の努力が必要であるなど、自然ガイド事業を取り巻く諸問題の解決が急がれる状況になっています。

また本年に入ってからはコロナウィルス感染拡大の影響で日光観光の状況が一変しました。感染の拡大を防止しながら新しい生活スタイルにマッチした自然ガイドのあり方を提案し、地域の観光産業と協働して地域振興を図っていく新たな役割も求められています。

 

このような諸課題を解決するためには、従来からのガイド個人の組織「日光自然ガイド連絡会」に留まらず、ガイド事業者の組織化が必要との認識に至りました。このため日光地域のガイド事業者による「日光自然ガイド協議会」を設立し、日光地域のガイド事業者が様々な課題を協力して解決し、自然ガイド事業の健全な発展と自然環境の保全や持続可能な利用の促進、エコツーリズムの発展、地域と連携して観光振興を図っていくことを目指してゆきます。

 

日光を愛する自然ガイド事業者が、協議会の活動を通してひとつひとつ課題を解決しながら日光の魅力を発信し、利用者の皆様がまた訪れたくなるような日光にしてゆくよう努力して参ります。

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